薬剤師だった院長が鍼灸師になった理由

院長の阿部和哉です。

いきなりですが、私は薬剤師でした。(正確に言うと今も薬剤師ですw)
病院で薬剤師として数年勤めた後、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得し、柔道整復師の資格もとりました。
よくこんなことを聞かれます。

なんで薬剤師をしてないの?

 

そうですよねぇ。薬剤師やっている方が、はるかにお〇料いいですしねぇ。

今回は自己紹介がてら、そこらへんの経緯を書くことにします。

その人は「薬を飲むとよく眠れる」と喜んでいました


このエピソードは私が薬剤師として働いていた時のことです。

若い女性の患者さんが不眠で受診しました。
初めはゾルピデムという短時間型の睡眠剤だけが処方されました。
初めは”眠れない時だけ”の頓服という服用方法で「薬を飲むとよく眠れる」と喜んでいました。

しかし、だんだん睡眠剤を服用する回数が増え

「薬を飲まないと寝れない」

と言って毎日服用するようになりました。
そうこうしているうちに今度は

「薬を飲んでも寝れない」

という状態になり、睡眠剤がどんどん増えていき、目も虚ろになっていきました。

その患者さんはその後、うつ病を併発し仕事を辞めてしまいました。

私には睡眠剤という治療薬を服用することでむしろ症状が悪化しているように感じたのでした。
薬剤師としての疑義照会も無念な結果に終わり。私の心には大きなしこりが残りました。

医療とは何か

これを果たして医療というのだろうか?
医療とは何なのだろう。

段々と私は疑問を感じるようになりました。
患者のためになる医療とは何か?本質的な医療とは何か?を模索している時に、たまたまある一冊の本に出合いました。

『鍼灸の挑戦』

この本は約80人の鍼灸師へのインタビューを通し、そこから鍼灸の現状と可能性を浮き彫りにしようとしたものでした。
私自身も鍼灸治療で椎間板ヘルニアが治った経験があり、あぁそういうことか!と深く納得できる内容でした。
この本を通して、西洋医学にはない鍼灸治療の可能性を感じ、私が探しているものは「これだ!」という直感を得て、薬剤師阿部和哉は鍼灸師になることを決心したのでした。

治療の第一義は「患者の病気を治す」ことです。
鍼灸の学生時代から今に至るまで、
いかに最短期間で体の不調を治し、再発しないようにするかを追及してきました。
1日でも、1秒でも早く良くなること、それを追及することが私を医療者として治療家として成り立たせています。

これからも、薬剤師の知識と、治療家としての技術を合わせて本質的な医療を提供していきます。

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