あけましておめでとうございます。
総院長の青木です。
初めての投稿が平成30年の元旦というのは、気持ちが入りますね。
今年は平成最後の年でもあり、てらす灸庵にとっても重要な一年になります。
皆様の健康と充実した日々を願うと共に、「治療からの卒業」をコンセプトにスタッフ一同邁進して参ります。
さて、記念すべき第一回目の投稿は私が治療や医療について何を考えているのかをお伝えさせていただきます。
実は私、、、アンチ東洋医学でした
鍼灸や漢方薬などの東洋医学に対して当初否定派でした。
そもそも薬学部に入るまで視野にすら入らなかったのですが、研究者になる夢を描いていた当時の私は「このご時世に草木の根っこを煎じて飲むとか意味不明」とバッサリでした。
しかし
研究とは未知を解明すること。
バッサリ切り捨てるのは漢方医学を学んでからすると決め、入部したのが「漢方生薬研究会」という部活でした。
そこで体験したのは漢方薬の効果。
「葛根湯って効くんだ!」という驚きであり、
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)は試験前の徹夜・疲れた身体を強力にサポートしてくれたのです。
舌をみたり
脈をとったり
お腹をさわったり
良くわからない診察をして、導き出された漢方薬が効く
不思議な事だらけでした。
手の脈をとって、腰の痛みや病の深さなど身体のどこがどうなっているのかが分ってしまう。
私の師匠の師匠は、この「手の脈」でお腹の赤ちゃんの性別を100%当てられたそうです。
舌をみると、胃の調子から身体の冷え、疲れの程度などが分ってします。
どれもこれもが、西洋医学では理解不能な事ばかりでした。
この良くわからない漢方の研究をしよう!
これが私の東洋医学への最初の一歩でした。
そこからのいろいろな事は別の機会に書くことにして、そろそろ本日のテーマに関することを。
治らなかったら打ち首
私が漢方を勉強していく中で衝撃的だったのは
「漢方薬は長く飲まなければ効かない」とは歴代名医の誰も言っていない
ことでした。
それだけでなく「すぐに治ること」を要求されてきた歴史があり、それが出来ない治療家はヤブ医者と呼ばれました。
皇帝の治療に携わって、治せなかったものは首をはねられる。そんな死と隣り合わせの緊張感すらあったようです。
現代まで2000年以上にわたり培われてきた中国伝統医学は、中途半端であやふやなものではないことを、勉強すればするほど理解させられたのでした。
一方で現行の医療はどうでしょうか?
いつまでたっても病院通い・医者通いが終わらない。さらに通う医療機関がどんどん増えていきます。
一生飲む薬が多いばかりか、どんどん薬の数が増えていきます。
漢方薬は長く飲まなければ効かないと言われたり、鍼灸治療にも終わりがみえません。
一昔前なら全員打ち首ですね。
残念ながら医療の問題だけではないのです。
患者も薬さえ飲めばよい、とりあえず薬、薬があるから病気になってもいいと言わんばかりの状態。
これでは薬物依存症です。
それを助長するかのような医療でもあるのが悲しいところ。
原因は簡単です。
国民皆保険制度という制度の在り方、診断と処方を手にしてしまった医師と製薬企業の繋がりです。
安い金額で均一な医療を全国どこでも享受できることが、私たちから病気になる恐怖を遠ざけてしまいました。
超高齢化社会の中でこの状況は日本や現役世代に大きなダメージを与えています。
と、話がそれそうなので、元に戻します(;’∀’)
終わりなき治療に終止符を打つために
「医療の本分は患者を減らすこと」
だと私は考えています。
しかし、それが簡単な事ではないことも事実で
だからこそ医療者はこの本分を骨の髄まで刻み込まなければいけないのです。
この想いを胸に、6年前に漢満堂(カンミツドウ)を掲げて今まで歩んで参りました。
カラダの発する声に耳を傾け、然るべき対処が出来れば
あなたは自らの治療家になれます。
この6年間の積み重ねはそれを実証してくれました。
私たちは治療と併行して
自分の心身をコントロールする術を知っていただき、実践してもらうことを常に心掛けています。
世の中から患者がいなくなるような
そうした治療・医療を広めていくのが
私の、そして、漢満堂・てらす灸庵のミッションなのです。
それが実現できた時、日本の医療は”医療”と呼べるのです。
◆青木 満 Aoki Mitsuru◆
薬剤師・鍼灸師
合同会社漢満堂 代表社員
てらす灸庵 総院長
平和堂漢方薬局 医学堂漢方研究会 講師
一般社団法人枇杷葉温圧灸協会 理事長
など
2011年より総合漢方 漢満堂として、漢方を軸に治療・養生・薬膳などの講座やイベントの開催、レストランやサロンなどのコンサルティングを行う。
共著書に
『漢方薬膳学』 万来社出版
『マンガでわかる東洋医学』 池田書店出版
『漢方重要処方60 イラストと図表で解説』 万来社出版
など
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